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『踊ってはいけない国、日本』は読んでみるといい

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『踊ってはいけない国、日本』磯部涼 編集

タイトルの意やきっかけこそ
風営法の名の下にクラブが取り締まられている、
それも「無許可では客を踊らせては行けない」という?な理由で

そんな現状をどうにか出来ないものか?というものだが
多方面の著者から分析してもらうことにより
レバ刺しや歓楽街にも及ぶ、過剰な規制に向かう日本が浮き彫りにされる

これはクラブ関係者はもちろんだが、
関係者以外にも実に読んでほしい内容の本だね

クラブ系の音楽ライターでもある磯部涼氏による
力のこもった編集書だ
個人的に最近気にしている坂口恭平氏も入っているから、
尚の事オススメでもあるね

*****

まずは宮台真司氏とモーリーロバートソンの対談、
それを読むだけでも、
世界に誇れる安全、そして物資の揃っている国なのに
何故幸福度がこれほど低い国になってしまっているのか?

ということが分かるだろう

そしてみるみる増えるCC(クレイジークレーマー)
それに怯える政府、警察
そんな図式を大雑把でも把握しておかないと
今後俺たちはどう現状に対処していくと賢明か?ってのが
非常に分かりづらくなってきてしまうんだなと

例えば**を反対!という運動もいいんだが
賛成派はもちろんのこと、
間のグレーゾーンの意見を聞く耳をもたない反対運動がよく目につくが、
それでは結果何の進展も望めないだろう
かつ、それはクラブのような、これまでまさにグレーゾーンだった文化を
巡り巡って否定しているのにも等しい

そう、この本は
あらゆる角度で
グレーゾーンの意味を考えさせてくれる
俺たちが面白い!と思うもの、音楽であれ美術であれ文学であれ、風俗であれ
それらの背景には必ずと言っていい程グレーゾーンがある
法すれすれであったり、規制と戦うものであったり、やくざが絡んでいたり

戦うだけが手段ではない
あらたな方法提案や、当たり前と思っていることを考え直すのも手だ

坂口恭平氏のように電車に乗る事1つをとっても
「切符を買ってのるべきなのか?」
「そもそも切符とは何なのか?」
といった日常を振り返るところにもヒントはあるんだろう

クラブはそもそも深夜じゃないと楽しめないものなのか?
踊る楽しさってどういうことなのか?ということの言語化も必要かもしれない
俺の行きつけの渋谷TheRoomも今年からTAMARIBAと名乗っている、その感じも粋でいいよね

清濁併せ飲むくらいのほうが楽しいよ
東南アジアとか行くと分かるだろうけど
バイクにヘルメット無しで3人乗りして楽しそうに走ってる感じ
それが日本では「あれだめ」「これだめ」の積み重ねで
何とまあ詰まらなさそうな顔をしてバイクに乗っていることやら

そんな東南アジアも目覚ましい経済成長を遂げている
ジャカルタやバンコクなどのように万年渋滞な街も多い
いずれ色んな規制が始まり、大なり小なり日本化が進むだろう

そんな時に日本が悪しき例として見られないように
誰かのせいにするのではなく
俺ら自身が楽しみを見つけていく
楽しむ場所を確保していく必要がある、ほんと

グレーゾーンを大切にしよう

by jazzmaffia | 2012-09-10 23:14 | Recommend | Comments(0)

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