#SOUL大学 も20講目になったので、、、

オンラインサロン、 #SOUL大学 も20講目になりました
なので(?)、今回は最新の講義をお見せしておきましょう

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#SOUL大学 20
〜絶対音感よりも大事な音感とは〜

 先日ちらっと農業の話のくだりでお話ししたように、調律というものは時代と共に変わっているわけでして、現代が440hzで調律するのをベースにしているのに対し、モーツァルトは422hzで調律していたわけです。そこで想像していただければわかりますよね?「絶対音感」と呼ばれるものがいかに緩い概念かが。2017年現在、というかこの半世紀以上にわたって、日本における「絶対音感」というものは440hzで培われてきました。その音感が「絶対」であればあるほど、他のhzで調律された音楽に対して不寛容になっていくわけですし、本末転倒な概念と言わざるを得ません。

 。。。という「絶対音感」に関してだけでも一講義打てるわけですがスルーしまして、そんな危うい「絶対音感」よりも大切な「音感」について今回はお話ししておこうと思います。

 そもそも「聴覚は成長する」ということは皆さん知っておいて欲しいですね。仮に絶対音感があったとしても、バップジャズの高速な、例えばJohn Coltraneのサックスソロの全音程を当てることができるかどうか?というのは別問題なわけです。多少のアドバンテージがあったとしても、ほんの数秒のアドバンテージしかありません。じっくりのべ何時間も聴き込む上での数秒の差です。ドの音がどこかさえ分かれば、あとは「絶対」音感がなくても、いわゆる「相対音感」があれば大丈夫なんです。そしてそれは後天的に成長するものです。

 かくいう俺自身がどれだけ30歳以降に成長したかというのを実感してますからね。幼少期からピアノは習ってましたから、精度低めではありますが、ほぼほぼな絶対音感は持っていますが、だからと言って、ファンクな曲ジャズな曲の音程は最初まったくもって聞き取れませんでした。ただひたすら聞きまくり、セッションしまくっているうちに、徐々に「聞こえてくる」ようになったのです。

 そしてそれは音程だけに限りません。ちょっとした音質の違いも聞き分けられるようになってきました。40代以降には、おおよその帯域まで聞き分けられるようになりました。レコーディング〜トラック制作を多数してくると、ミックス作業をしていくうちに、どの音域をあげるといいか、下げるといいか、が聞こえてくるようになるのです。

 そのような聴覚ですごく大事なポイントは、つまるところ音程を正確に当てることができるかどうか?ではなく、
<<その音が気持ちいいかどうか>>
を判断できるかどうか?なのです。

 そのニュアンスは、サンプリングで音楽を作る人などを例にとればわかりやすいでしょう。レコードからサンプリングする場合などは、欲しいテンポにするために再生速度を変え、結果音程が変わったりします。そんなサンプリングした素材を2つ以上重ねる、なんてことになった場合の判断基準は、「気持ちいいかどうか」に尽きるわけです。

 例えばこのTシャツのA Tribe Called QuestのQ-Tipなどは、素晴らしい耳を持った人と言えますね。彼は特にキャリア初期は楽器を弾けない代わりに、サンプリングを絶妙に駆使することで独自のトラックを生み出してきました。レコードをもとにサンプリングする訳ですから、いろんな音程がなっていたりするし、その音程が440調律の楽器では演奏できない響きになってしまったりするわけです。そこを判断する際に基準となるのは、もはや「快感原則」を持っているかどうかでしかありません。

 実例を挙げましょう。このTシャツの"Low End Theory"の次に出た"Midnight Marauders"収録のATCQ代表曲"Award Tour"1993を聴いてみましょう

 これのそもそものループも音程があやふやです。最初のコードがAb、トップの音がEbと思われますが、少し低めです。それが0:50あたりからの展開部になると露骨に音程がわかりません。vibraphoneの音程はEb E Ab E Ebとも聞こえますし、E F A F Eとも聞こえます。つまり調律が曲中で変わっている状態な訳です。でも、音楽家の俺からしても絶妙に気持ち良いところに行ってるように聞こえます。その調律が狂ってる感じと、その場所がブリッジと呼ばれる展開部であることが相まって、絶妙に機能してるように聞こえるのです。

 というギリギリセーフな例もあれば、アングラ大御所系のMF DOOM先生になると、「さすがにこれは微妙じゃない?」というネタのミックスがあったりします
"Project Windows"

 Isley Brothersネタなども織り込んだこれは、さすがに俺は気持ち悪いです。みなさんはどう聞こえます?こうしたヒップホップは、アングラだと有名無名問わずよくあります。オーバーグラウンドで売れているものは、ATCQしかり、さすがにみなさん耳がいい&ちゃんと確固たる独自の音感を持ってらっしゃるので、ギリギリだとしても心地よいものになっていて、俺らミュージシャンには作れない音世界となってたりしますね。

 いい例をもう一つ上げておくと、絶頂期のMary J.Bligeのこの曲もサンプリングの都合、チューニングが微妙です
"I Can Love You"1997
最初のピアノのサンプルからF#m寄りではありますが、少し低くてFmとの中間になってます。そして曲はその調律のまま続くのです。でも普通に聴けますよね?(これを自然に聞こえるように歌えてるMaryJ.Bligeがすごいです。ピッチ補正などもまだやりづらい時代なはずなので、、、)

これは当時ライブでカバーしようとした時に気付きました。「これキーどっちなんだ?」と。で、このイントロのサンプルを使おうとすると、普通の調律では演奏を合わせられないので、合うようにサンプルの音程を調整しました。

 サンプリング音楽全盛期なこのころの音楽は本当多いです。サンプリングという、楽器を弾けなくてもオケが作れる!というメリットがある一方、ちゃんとした「快感原則」を持ってない人だとトラックがただただ気持ち悪くなってしまったりする。そういう音感こそが現場で活きる音感なのです。

 生演奏現場でももちろん大事です。例えば今やっているレコーディングで、サックスのレコーディングをしてる際も、調律を合わせるのが難しい楽器サックスは、よくよく聞いてると他の楽器と調律が合ってないように聞こえてきて、調整にすごく手間取りました。楽器の調律を合わせてもらっても、吹き方に寄って、ある音程だけがずれて聞こえたりするのです。そういう時も、何を持ってOKとするか?がすごく大事になるのです。
 
 そんな「快感原則」こそがこの講義の肝の一つです。

 みなさん、是非とも自分らしいSOULな「快感原則」を獲得してくださいませ


*****

こういう話を最低週一でしつつ
質問があれば答えつつ
時折楽屋裏な話を紹介したりしております

興味ある方は是非いらっしゃいませ

#SOUL大学 〜正解のない、フィーリングの美学〜
https://salon.synapse.am/salons/soul/timeline

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# by jazzmaffia | 2017-02-24 13:57 | #SOUL大学 | Comments(0)

2.9でMyFavoriteSoulは8周年です!!!

2.9木曜日は
SWING-O主催のSOULなイベント、
My Favorite Soulが
8周年を迎えます!!!

あっと言う間のような気もするし
これまで出てもらった方々を振り返ると
それなりな歴史を感じますねぇ

そして新たに加わるゲストが
世界を代表するサックスプレーヤー
元晴です!!
彼を迎えつつ、スペシャルなセッションな夜をお届けしようと思っています

更に
小林"Bobsan"直一 guitar
大林亮三 bass
も参戦決定

いつもより早い19時オープンスタート
オープンマイクなジャムセッションも
20-24時の間に断続的にやる予定です
是非みなさん8周年を祝いに来てくださいませ!!!

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“MY FAVORITE SOUL”
bpm under100 -soul,hiphop,jazz-

19:00-2:00 /charge 2,000yen
Hosted by SWING-O

Special Soul Session
feat. MOTOHARU and more...

Resident DJs:
SWING-O
ROCK-Tee(Woody-Wood Studio)
横山龍助(Rare Drops)
DJ bara(peanuts pro.)
BEat-taku-around(来音食堂)
DJ TATSUTA
NELLO(月歩-Gheppo)
君嶋麻里江
二宮純一(Speacloud)
米元美彦
CHICK-D
Luiger
Satoshi Fukuda(福田録音)
and more…

Live Paint:KIO(optimystik) and WAIFone
http://www.batica.jp/

*****

ついでに
これまでに出ていただいたゲストの方々のリストを記しておきます
なかなかの面々ですねぇ、、、、
関係者含めて、本当ありがとうございます

バンド系
Dezille Brothers
(椎名純平、竹内朋康、SWING-O、鈴木渉、白根佳尚)
ovall
(Shingo Suzuki、mabanua、関口シンゴ)
THE BASSONS
SANABAGUN
モミーFUNK!
Grand Canyon
長崎真吾バンド
カンバス
Shuns'ke G x Keishi(The Peas)
Speacloud(二宮純一、定成薫午、梅澤慎吾)


シンガー系が
浜崎貴司(Flying Kids)
岡本定義
国岡真由美(ex.ICE)
Tina
嶋野百恵
なかの綾
Hanah Spring
COMA-CHI
SONOMI
サイゲンジ
西寺郷太(NONA REEVES)
SOTO IKEMIYA(ex.wyolica)
竹本健一
Hiro-a-key
Kim Wooyong キムウリョン
Michael Kaneko
Chan-Mika
大和田慧
市川愛
Nao Kawamura
eico
小久保淳平
TAKU(from FREASY BEATS)
Emiko Smile
高橋あず美
カマタミズキ
清水愛
KAORU
NU minor(Kelpie,Chappy,高橋直人)
YUKiCO
松川ユリイカ

ラッパー系が
Steph Pockets
Kohei Japan
山仁
KOJOE
nanorunamonai
タカツキタツキ
Atom
Ali-Kick
エムラスタ
将絢
Cello a.k.a.Massan
KIN☆

DJ系が
Skeme Richards
黒田大介
Lark Chillout
Yosuke Tominaga

ミュージシャン系が
スティーヴエトウ
DUTCH
小沼ようすけ
小池龍平
渥美幸裕(as thirdiq)
venue(伊原Anikki広志、長崎真吾)
廣瀬貴雄
ROOTSOUL(池田憲一)
13souls
タケウチカズタケ
NATA
房原忠弘
mic.b a.k.a.73 Pike Set
Sequick

ダンサーに
Mutsumi
Maestro Lady
SAFI
谷口翔有子

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# by jazzmaffia | 2017-02-06 00:20 | 最新Live情報 | Comments(0)

Movie : "Sign Of The Times"はプリンス映画の最高傑作だ!!

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映画"Sign Of The Times" Prince 1987年

殿下が召されてから9ヶ月経ってやっと見ました
他の
"Purple Rain"1984
"Under The Cherry Moon"1986
"Graffiti Bridge"1990
はすでに見ていたが、
いい部分こそそれぞれあるけれど
映像全体で「いい!」とまでは思っていないものだった

そんな中、一番触れられてもいない作品で、
最近まで存在すら知らなかった映画がこれだ
同名の2枚組アルバムと同タイトルの
ライブ〜ミュージカル映画といった趣

女性の主役、
ダンサーのCATが彼氏と揉めるとこから始まり
そこからはライブ中の演出の中で次々と事件が起きていく
当然Princeも彼女にすり寄っていき・・・
そんな各所の演出を、絶好調のバンドアンサンブルで盛り上げていく
中でもSheila Eのセクシーさとプレイの格好よさが半端ない
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途中には"U Got The Look"で
これまた当時とびきりセクシーだった
当時Princeの恋人と噂されたSheena Eastonも出てくるし
女性の出演者がどれも魅力的

そしてプリンスの歌も演奏も
いやバンドもキレッキレ
特にホーンセクションのアンサンブルが半端ない

Prince & The Revolutionを解散させた直後に組まれたバンドなはずなんだが
Sheila E他数名は古株だとしても
一体いつリハーサルをやってグルーヴを固めてきたんだ?
毎年のようにアルバムを発表していた時期だし
ましてやアルバム"Sign Of The Times"は
バラしになった3種のアルバムから集められたものと言うではないか

あ、そもそもそのように言われているけれども
このライブ映画を見たら、
ストーリーと曲がリンクしているので
この映画の着想を得た殿下が
それら3種のアルバムをボツにしたのかもしれないな?

なんにせよ、バンドのクオリティーが半端ないです

見所は色々あるけれど
個人的には
■殿下がダンサーCATの股下をスライディングで抜けていくところ
スカートをもぎ取っちゃうんだよね
これは見ててもドキッとする部分だ

■曲中("It's Gonna Be A Beautiful Night"だったかな)で
殿下が、Sheila Eとハイタッチしたと思ったら
グルーヴそのままに殿下がドラムを叩きだすシーン
このハイタッチの時〜そこからマイクを持つSheila Eがまた素敵なんだな

などなど、ホント見所が多いです
箇所箇所はいるちょっとした臭い演出も、
楽曲とリンクさせるためのものに見えてくるので
他の映画のような苦笑にはならない

当て振りなのはSheena Eastonがでてくる"U Got The Look"ぐらいで
他は全部ライブ!
ヨーロッパツアーで撮られたものらしいです

この方向性の映画だと
ロックバンドの
Talking Heads"Stop Making Sense"1983
が名作としてすでに高い評価があるんだけど
&俺も大好きなんだけど
それと同じくらいの評価をしていい音楽映画だと思うな

きっとこれからプリンス再検証が進んでいく中、
浮かび上がってくる映像作品となっていく気がします

"Sign Of The Times" DVD

このオープニングにもあるように
"It's Gonna Be a Beautiful Night"のオーウィーオってコーラスが
映画の通奏低音になっている感じもいいです
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# by jazzmaffia | 2017-01-22 16:03 | SWING-OによるReview | Comments(0)