アイルランドとスコットランドではウイスキーはストレートで飲むべし

アイルランドとスコットランドでは
酒場でウイスキーを飲むときはなるべく氷を注文されない方がよかろう
そうすればとりあえず
「文明人のかたわれ」として遇される可能性は高い

・・・村上春樹「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」より

なんて言葉を見ちゃったもんだから
深夜に一人でPCの前でちびちびと
ウィスキーをストレートで飲みたくなって
今飲み始めたところ
それもスコッチでもアイリッシュでもなく、
俺の地元で作られているウィスキー、
その名も「明石」というやつを

そして、人目にさらされるこの場所で
ひとりごとをしたくなった、そんな真夜中は2時過ぎ

しかしよく働いてくれる俺の指・手だな
ありがとうよ!

なんて思う1日だったな
昼間はこれからツアーが始まるDEEPというコーラスグループのリハを
仕切りながらの数十曲
そして夜はFLYING KIDSの来週の二本のライブのためのリハで十数曲
もうFLYING KIDSのリハの頃は意識が飛びそうな感じで
いっそ目を閉じながらほとんどの曲を演奏した
たまに目を開けると
うん、俺の手と指はほぼ間違えずにちゃんと弾いてくれている
これだけ日々演奏させてもらっていると
曲もやり慣れて来ていると
もう脳みそを、意識を通過しなくても彼らはちゃんと働いてくれるようになる

スポーツ選手などと一緒だと思う
彼らは逐一脳みそで考えてバットを振ったりシュートを蹴ったりはしていない
脳科学的にも、
脳みそを通過していたら、150kmの球を狙った方向に打つなんてことはできないそうだ
だから
考えなくても動いてくれる体になるように
日々練習練習ってこと
身体に一定のルーティンができて
ほんの少しだけの意識を添えることで
150kmの球を狙った方向に打つような超人的なことができる

「明石」美味しいね
でも、書こうとしたことがいろいろと俺の脳に霞がかかるようにわからなくなってきた

実際、1日で一体いくつのことを考えているんだろう?
近場に迫ったライブにまつわることを考えつつ
年明けが結構暇なので、そこをどうクリエイティブに過ごすか?を考えつつ
来年に開催する俺の誕生日イベントにまつわることを考えつつ
次はどの本を読もうか?を考えつつ、
知らぬ間に閉店していた渋谷のブックオフのことを考えてみたりしつつ
今日は田園都市線と東横線が夜事故で止まっていたりして大変そうだったなぁ、、、と思って見つつ
浜崎貴司さんが先日のPaul McCartneyライブを見に行ってめっちゃ感動したという話を思い出しつつ
先日亡くなられた方々のことを思って見たりする
佐山雅弘さんは、先日息子のコータとサシ飲みしたばかりだったから驚きだし
三宅伸治さんがすごく残念がっていたTony Joe White、彼の音源を聞いてみなきゃなと思って見たり
俺のピアノの原点の一つでもあるFrancis Laiの死は、まぁ年齢的には大往生なんだけど
やはり残念ではあるのでこれまた聞き直したりピアノで弾いてみようかなと思って見たり
、、、で
今聞いてるのはこないだに続き具島直子だったりする

あぁ、いい声だなぁ
キュンとくるよ

そしてウィスキーが効いてきたよ
誰とも話さずに一人で飲んでいると
すぐ眠くなる

いい寝酒になるな、この一杯

アイラ島のウィスキー作り職人のように
ロマンチックな夢が見れるといいな

「僕が今こうして作っているウィスキーが世の中に出て行く時、あるいは僕はこの世にもういないかもしれない。しかしそれは僕が造ったものなんだ。そういうのって素敵なことだと思わないかい?」 


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# by jazzmaffia | 2018-11-16 02:44 | ひとりごと | Comments(0)

Album : "Quiet Emotion" by 具島直子1997年

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"Quiet Emotion" 具島直子 1997年

決して名盤ではない
音楽的にすごい深いわけでもない
歌がすごいわけでもない
かつ、大して売れたわけでも、、、ない
(関係者の方 スンマセン)

でも、どうしようもなく思い入れのある作品
結果、どうしようもなく大好きになってしまった作品
というのは音楽好きならば少なからずあるだろう

俺にとってこのアルバムはまさにそんな作品

大して売れたわけじゃないのは確かだけれど
リアルタイムで、当時ライブで関わっていた女性シンガーが
このアルバムのなかの一曲、
Tr-8(B-3) "So High, So High"
をカバーしたいと言ってきて、この具島直子の存在
そしてこのアルバムの存在を知った

https://youtu.be/Yr7gEco4P7Q

素朴で大した展開もないのだけれど
リハーサルからライブにかけて一回か二回やっただけなのに
なんだかすごく俺のツボを刺激して、体に入ってきてしまった

アルバムを購入して見たら
ほんの少しアッパーなのもなくはないけれど
ほぼ全曲、メジャーセブン、マイナーナインスの響き&ループ
ワンパターンなんだけど、ちょっとしたメロディーセンスが光ってて
なんかソフトに胸にもたれかかってくるような曲ばかり

思い返せば1997年頃、この曲を知った頃は
俺も月-金の週5のバイト生活時代
年は28歳になる頃

「お前、そろそろ音楽で食ってくのを諦めた方がいいんじゃない?」
とよく言われていた頃だ

そんな、
あがいてもあがいてもなかなか前に進めない頃に聞いていた音楽

そりゃあ思い入れがあるに決まってるよね
この曲、そしてこのアルバムを流しただけで
ふ〜〜っとあの頃の切ない新宿の街の風景が浮かんできてしまう

個人的にはその"So High,So High"と
シングルにもなったらしい、
Tr-4(A-4) "No,No,No"
がフェイバリットだな
これもまたいきなりDm9のピアノの響きで始まる曲
心地よい気だるさに包まれる曲

日本のSADEといった趣の大半の曲に
ほんの少しだけ、当時大ブレイクしていた、
Jamiroquaiの"Virtual Insanity"的なエッセンスをまぶした
そんなアルバムだね

そんな具島直子、
日本のポップス史から忘れ去られていたと思っていたら
昨今のシティポップブーム&発掘ブームのおかげで
かつその「大してリアルタイムで売れなかった」ことが功を奏してか
昨年大きくプッシュされる形でHMV record shopがレコード再発をスタートさせた

まず1stの
"miss G." 1996年
がレコード化され、
それは俺の中では具島直子節がまだ未完成な作品なので購入せず、
この夏についにこのセカンドアルバムがレコード発売されて、
早速購入しました

3rdも合わせて発売されているけれど
個人的にオススメなのはやはりこの2ndアルバムです

まったりと秋の夜を過ごすのに良き
メロウでしかないアルバムです
Apple Musicなどでもアルバム聴きできるので
是非聴いてみてください

*****

そんな、くすぶっていた20年前を思い返しながら
目の前をみると
明日11月12日は
バンマスという形で関わらせてもらう、
HipHopグループDoberman Infinityの
武道館ライブ!!!

いろんな思いと感謝を胸に
でも精一杯の「俺だからできる演奏・演出」を
主役の方々を通してお客さんに届けようと思います

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# by jazzmaffia | 2018-11-11 23:51 | SWING-OによるReview | Comments(0)

Movie&Book : ピアノにまつわる作品レビュー

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『黙ってピアノを弾いてくれ〜Shut Up Play The Piano』
出演 :Chilly Gonzales 監督:フィリップジェディック 2018年

友人が勧めるので見てきた
渋谷シネクイントにて
うん、アルバムは何枚も持っているが
そういえば素性やキャリア全般は知らなかったので
カナダのお坊ちゃんだということだったり
でも最初のキャリアがパンクバンドだったり
最初にブレイクしたのがベルリンでラッパーとしてだったり
、、、などなどぶっ飛んでてビックリした
そしてそのエネルギーにやられたね

「インタビューを受けてもつまらない質問が90%
聞かなくたってわかることをなんで聞くんだ?」
という不満をきっかけに
「俺じゃなくてもいいんじゃないか?」
という発想の元、ゴンザレスオーディションを企画して
全く同じセリフやラップをできる人を選んでいくくだりなんて痛快だ

でもってラップが思った以上にちゃんとしてる
なんなら素晴らしい

「アーティストなら昔は黙って音楽をやればよかったかもしれないが
今はそうじゃない
だから俺はエンターテイナーとして
キャラを演じてるんだ」

「先人の影響は無視できない、リスペクトしてるよ
でも反骨精神も必要だよね、ちょうど半々くらいがちょうどいい」
などなど
響く言葉も多数だったしね

無精髭具合や挑発的な言動を見てると
まさに現代のゲンズブールのように俺には映った
もしゲンズブールが生きてたら嫉妬するような男だろうなと
でも性的にはゲイ?を匂わす程度で、映画の中では深く触れられてなかったね
ヘテロセクシャルならば、かなり女性にモテてそうな人だとは思ったけどね

、、、なんだけど
アルバムも多数持っているんだけど
個人的にはなんだか「惜しい」音楽性なんだよな
なんだろう、「黒さ」があまりないからかなぁ
クラシックからパンク経由のヒップホップ経由のピアニスト
根っこがクラシックというのを堂々と出してる感じが
良くも悪くもパンキッシュには聴こえても
俺の好きな色には聴こえなくてね

エネルギーにはただただ感服
ほんでもって
「俺はどうすべきだ??」
なんて思いながら帰途につきましたとさ

興味を持った方はこちら

「黙ってピアノを弾いてくれ」公式ホームページ
http://www.transformer.co.jp/m/shutupfilm/

*****

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『調律師』
熊谷達也 著

これは古本屋でぱっと目について購入してみた本

ピアノにまつわる本はつい読んでしまうが
ヒット作
「羊と鋼の森」宮下奈都
「蜜蜂と遠雷」恩田 陸
などは、よく出来てるものの、テレビドラマ感が否めず好きじゃなかったが、これは良かった
音に色が見えるという共感覚というのがあるのはオリバーサックスの「音楽嗜好症」などで読んで知っていたけど、音に嗅覚が伴うなんて魅力的な設定の話を訥々とした文体で語られる感じがすごく良かった

ただ
解説にも書かれてたけど
途中までその「音に嗅覚が伴う共感覚」についてがテーマな本だったはずが
突如311東日本大震災が絡んできてしまうところで
少し言葉を失ってしまった

仙台在住の小説家がゆえ、避けられなかったことではあるのは、分かるんだけどね
そこらへんの良し悪しは難しいところだね

個人的には
せっかくなら「共感覚」を持った人の物語で終わってほしかった
結果この本は「共感覚を持った調律師が、東日本大震災に巻き込まれた話」
としての印象になってしまったから

というのが少し残念ではあったものの、
空気感・文体、ストーリー展開は上記の女性作家のものより好きだね
ピアニストとしてすごくわかる感じがあるし
女性作家にありがちな「こうでしょ」という断定がない
読者に夢想させる余裕がある文体、とでも言えばいいだろうか

そういう意味で
この本はカズオイシグロの「夜想曲集」の空気感とも近いものを感じたね
音楽と人との関わりをポップではなく、俯瞰で語ってる感じが



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# by jazzmaffia | 2018-10-24 00:04 | SWING-OによるReview | Comments(0)