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これからの流行りは刑務所ビジネスだよ

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Courier Japon 2010年3月号
「貧困大国アメリカの真実」


マイケルムーア監督の『シッコ』を見ていたので
アメリカの保険業界が腐りまくってるのは知っていたが
それだけじゃない、アメリカ社会全体を覆う市場原理主義の酷い実態
それを確かな情報として再確認した

アメリカは先進国の中ではほぼ唯一、国民医療保険が存在しないに等しい国
『自由の国アメリカ』の名の元、保険も民間医療保険が主流となっていて
契約を獲得するためには何でもするが
被保険者が病気がケガをした時にも、払わないで済む為なら手段を選ばない
アメリカの民間保険会社が儲かっているのはそういう理由

そこらへんの詳しい事情もここに載っているし
何より『シッコ』を見ればより理解できるだろうから省略するとして
今回この特集で知った恐るべきことは
今、アメリカで流行の兆しを見せているのが『刑務所ビジネス』ということだ

上記の保険と同じ理由でアメリカの刑務所もかなりの率で民営化されている
民営化のメリットは
*国にとっては、運営費用の節約になる(1/10で民間は請け負ってくれる)
*民営刑務所側のメリットがこれまた多数ある
● 一人受刑者を受け入れることに更正費的な費用を州からもらえる
● 本来受刑者にとっては無料であるべき部屋代、食費、医療サービスを自己負担させることが出来る
(これ、ひどいよね)
● 「職業訓練」という名目で最低賃金以下の報酬で働かせることが出来る
、、、などなどメリットだらけなのだ

そこに目をつけた刑務所経営業社は、最近やたらホームレスを収監し始めたらしい
収監者を増やすことが利益になる、ということで
ホームレスであることの社会における犯罪性を訴え、ロビー活動をすることで
それを認める州や自治体が増えたらしい
当然その裏には刑務所業社と議員の癒着もある

そしてその動きを見るウォール街の株取引では
刑務所業社の株価が、この不景気に反比例するかのように急上昇しているという
(P44~『民営化で加速する、刑務所ビジネス』より)

・・・一体どこまで金!金!金!なんだ???
一度このバッドなスパイラルに片足突っ込んでしまったら
一生抜け出せないように出来ている

つまり、貧困者はとことん貧困であれ、というスパイラルだ


他にも大学事情も酷いことになっている
不景気により、寄付金が減ってきたために学費が高騰している
そこまでなら日本も同様だけど
アメリカが病的なのは、学資保険の金利が8%もすること、そしてその理由だ
これもまた学資ローンをビジネスとして存在させるための、金融業界の圧力によるのだ
その金利をキープさせるためのプログラムを教育省が組んでいたりする
かつそのローンは、自己破産しても借金の免責が認められていないらしい

結果、金を持つ者しか合格させられない状態になってきているらしい
このままだと世界に名だたる大学教育や研究施設を持っていたところが
みるみる破綻に近づいてきている、という
能力はあるが金がない、という者が入学してこれない
研究者不足にも陥っているという
(P40~『学生を借金漬けにする教育システム』より)

つまり、最近は
中流階級からも搾取していくように社会が機能している
ということだ
その傾向は古くは共和党レーガンが始め
ブッシュがそれを極めて、現状に至る


まとめると
全ての業界に言えるアメリカの病みっぷりは
1)自由競争の名の元に、政府の介入をNGとする(それが社会主義的という理由なんだろう)
2)儲けるためなら何でもあり、勝ちさえすれば全てはOKとなる!という世界観
そしてブッシュで極められたスパイラルは
3)持つ者はとことん持てる、持たざる者はとことん持ちにくくなる

恐ろしいな
こういうアメリカの現状を知ると、
「トヨタは金欲のかたまりだ」的発言がいかに矛盾しているか?が分かる
もちろんトヨタがミスを犯したことは間違いないにしても
そこを徹底的に突くことで、アメ車の復興を目指すロビー活動的側面が強いのは明白だ


精神分析の岸田秀氏や
ジャーナリストの立花隆氏の言葉を借りるまでもなk
アメリカは深く複雑なストレスがあるべくしてある国
国の始まり方からしてそうだからね
インディアンを追い払い、奴隷を連れてきて始まった『自由の国』アメリカ

そんな、他の国では無かったタイプの
ストレスがあった為に
素晴らしい音楽が生まれた

と言ってもいいんだろう


だが、とことん市場原理主義を極めてきて、かつ破綻した今
弱者であった黒人音楽が市場の中心を占め
弱者であった黒人が大統領になった今
アメリカは新しく素晴らしい音楽を生める状態にあるのだろうか???

実際、音楽市場も、市場原理主義を極めすぎた為の疲労困憊な状況にあると言っていいだろう
2匹目ならまだしも百匹目のドジョウを狙う、くらいの後追い体質
新しい音楽に投資することのメリットの減少
・・・・

この色んなものが腐食していく現状は、前にも言ったけども
喜ばしいことだと思う
次に生まれ来るものたちの肥やしになるのは間違いないからだ

ただ、今我々が気をつけるべきなのは
「そろそろアメリカ至上主義はやめないか?」と
こんな腐った社会制度のアメリカと比べて
いかに日本が素晴らしい国なのか?ということをもっと我々が自覚すべきだと思う

だって、
「これからの流行りは刑務所ビジネスだよ」
て会話をしたいかい?

by jazzmaffia | 2010-02-27 23:12 | ひとりごと | Comments(0)

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