またもや嫌〜〜な訴訟&敗訴(ってことか?)な話が舞い込んできた
そう、14週全米No.1を爆走してきた、
Mark Ronson feat.Bruno Mars "Uptown Funk"が
The Gap Band "Oops Upside Your Head" (1979)に酷似している、
ということで訴えられ、作曲のクレジットに加えられることが決まった、
というニュースだ
たとえばこのページで
もうこの流れは明らかだね、
Robin Thicke "Blurred Line"が
Marvin Gaye "Got To Give It Up"1977
に盗作で訴えられて敗訴したというニュースがきっかけに違いない
それに関してはこちらにも記しました
「これで訴えてもし勝訴したら莫大な金がもらえるかもしれない」
そんな流れでしょう
ほんでもって、またもやその訴えが通っちゃったって話
でも、この曲はまた更に大きな問題がはらんでいると思う訳です
まずは"Uptown Funk"、そして今回権利を勝ち取ったThe Gap Bandの曲を聴き比べてみよう
"Uptown Funk" Mark Ronson feat.Bruno Mars
"Oopes Upside Your Head" by The Gap Band(1979)
う〜〜ん、ここらへんの音楽好きな俺からしても、
声始まりなこと以外は、特に似てると思わないんだけどなぁ・・・
むしろ俺の周囲ではこの曲のほうが似てるという人が多い
それも2つある
"Jungle Love" The Time (1984)
"Let's Talk" by One Way (1985)
沖野修也氏などは前者のThe Timeに似てると言っていたし、
当初俺もそう思っていたが、
ライターの林剛氏に言われたOne Wayのこの曲を聴くと、
これら3曲で比べるならこれが1番似てるかも??
でも作曲家でもある俺からしても思うのは
"Uptown Funk"はこれらの音楽へのオマージュであるものの
盗作では決してない!!と思う訳だ
盗作とはこういうのを言う
て話も去年書いたね
「盗作騒動から思うあれやこれ」
Pharelleも"Blurred Lines"で訴えられた際に言っていたことが
危惧していたことが、その数ヶ月後に現実のものとなってしまったことになる
「何かにインスパイアされたかもしれないものを作るクリエイターにとってハンディキャップになる」と、今回の評決はアーティスト達にとって良くないものだと主張する。「これはファッション、音楽、デザイン……何にでも適用されてしまう。もし我々が何かに影響されることの自由を失えば、エンターテインメント産業は知ってのとおり、訴訟によって凍りつくことになるだろう。これはアイデアを持っている人々の知的権利を守るもので……身の周りにある全てのものが、何かもしくは誰かからの影響を受けているんだ。もしそれを潰せば、創造する力はなくなるだろう」
by Pharelle Williams
こちらの記事より
以前のBlogにも書いたけど、
社会で生きていく限り、
先人の影響を受けずに僕らは生きていくことが出来ない
それは自明のことだ
まずこの「言葉」がそうだし
衣食住どれもが先人の生み出したものの蓄積だ
パン屋に置いてあるパンだって、
8、9割方、既にあるフォーマットに乗っ取って作られている
残りの1,2割がオリジナリティと言っていいだろう
本来は共有財産なのだ
それを逐一商標だ著作権だと言い出したのは
アメリカ式資本主義が世界を席巻し始めた20世紀初頭の話、なはず
つまりその考え方自体が人類史の中でもまだ新しいし、
結果、この様な理不尽な状況を生み出すに至っている訳だ
今回の騒動で訴えた側の楽曲だって、
「誰の影響も受けていない楽曲」なはずがない
かならずそれ以前の何がしかの影響の組み合わせで出来ている
なのに、自分のことを差し置いて、
この様に「オマージュ作品」「インスパイアード作品」を訴えては勝訴
という流れが起きると、
ますます人々は昔の作品をチェックしなくなる
つまりは歴史を勉強しなくなる
だって歴史を知っているほうが損しちゃうんだもの
ただでさえ、
先人へのリスペクトを込めたオマージュ作品が表舞台では減りつつあり、
その場限りの「売り逃げ」作品が多くなる中、
実に悲しい流れだなぁ、と思うニュースだ
因みに"Uptown Funk"が敗訴するのが当然だとするならば
俺の作品もほとんどが何がしかのオマージュなので敗訴になるだろうし
俺の関わるアーティストの作品もほとんどが敗訴になるだろう
ていうか、街中で流れている楽曲も全て敗訴になるだろう
う〜〜ん、やはりアメリカからは
音楽にまつわる話でも
いいニュースよりも圧倒的に悲しいニュースが多い今日この頃だなぁ