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SOUL CAMP2017のErykah Baduはすごかった

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SOUL CAMP 2017
10.7@豊洲ピット
Erykah Badu はダントツ圧巻のライブだった

1回目がLauryn Hill
2回目がJill Scott
と言う見たすぎるヘッドライナーがありつつ
幸か不幸か仕事で行けず
3回目にして今回初めて行くことができました

裏のルートをどうこうすれば入れたんだろうけど
素直にチケットを購入して、家族で行ってみることにした
何せ目当てのErykah BaduはBillboard Liveではチケット43,000円もするという
「そりゃねえよな」「金に困ってるんじゃない?」「最近すっかり太っちゃっていまいちらしい」
などなど、行かなくて済むような情報ばかりつい集めてしまっていたが
でも、行ってみることにした
Roy Ayersもいるし、Brand Nubianや DJ Spinaもいるし、
何よりSoul Campの空気感を味わってみようと思ったから

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好きな曲も多数あるものの
やはり懐メロ感と第一線ではすでにない感溢れるBrand Nubianはさらっと見て終了

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そしてRoy Ayersもなんというか、場違い感をすごく感じた
やっぱ長年Blue Noteクラスの箱でやってきてると
どうしても不要な「セッション」性が強くなるんだなぁと
少ない曲数をソロ回しで時間を伸ばして、無理くり盛り上げてる感が否めず
せっかくヒップホップ大ネタでもある
"Running Away"
"Everybody Loves The Sunshine”
とかやってくれても
だらだらとしたセッション的演奏のせいだろう、
「ネタをやってる!」というのが観衆に気づかれていないようでもあり
もったいなかった

、、、という、まぁ懐メロ系アーティストばかりなイベントだから
こういう空気感は仕方ないよな
と思いながら迎えたErykah Baduライブだった

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もう登場前から空気感が違う
20分くらいは押したが、
すんなりその圧巻の時間は始まった

2年前のmixtape"But You Can't Use My Phone"からと思われる
Hello、Tyronを下敷きにした"Can't Use My Phone"などが混じった
今っぽくエレクトロでアブストラクトな音が流れ、
VJも加わり
キメの部分にバンドが加わることでいきなり耳と目をK.O.された

オーディエンスも絶叫だ
「エリカさま〜〜〜〜〜!」
やばい
俺もそんな気分だった

そこからはあっと言う間の90分だった
そんなにやってくれるとは思ってなかった
以下、印象に残ったことを列記していく
(メモをとってた訳じゃないので、順番が定かじゃないから)

以前からエリカ様がやっている手法ではあるけれど
左手でサンプラーを叩き、しばらく一人で遊んだあと
「ドンドンドドドドドンドンドン」とやったら即"On And On"
「ドンドカンドドン」とやったら"Love Of My Life"
これは始まった瞬間の高揚感が半端ない

エリカ様の手つきは毎度ながら美しい
デビュー前からヨガをやっていたという話もある
ちょっとした手の動きに目を取られ・・・
今回はやたらとウサインボルトの勝利の決めポーズをやっていて笑えた

そんなちょっとしたポージングの合間に
2回ほど服をめくってお腹を見せた
(意外としまっていた 笑)
で、2回ともそのあと恥じらう表情をする
それがまた可愛らしい、、、
タオルを客席に投げるふりをしてはやめてみたりして、ニヤッとする
それもまたいじらしい、、、
、、、て今確認したら、今年で46歳なんだな、可愛い46歳

前半のMCでエリカ様が
「私のライブをみるの初めてな人はどれくらい?」
と聞いたら
8割方の人が手をあげて、驚いていた
そして「80年代生まれの人は?」「90年代は?」などと聞いていく
細かいMCは聞き取れなかったが、
そんな新規の若い客が多いことを知って俄然スイッチがオンになったように見えた
「あなたたちが小さい頃、もう20年も前の作品よ、Baduizumから次の曲」
そして始まった"Apple Tree"
そこからの気合が半端なかった

どの曲も全くもって普通にやらない
イントロ〜途中までは原曲がわかるようにやるんだけど
エリカ様の合図"Hold On"でどんどんブレイクして
一瞬のアカペラを挟んで、またバンドインする
という流れが随所に織り込まれ
間にまた別な曲のネタ挟んだりしてた
どの曲の合間か忘れたけどAaliya"Rock The Boat"も挟んでたね
そう、MC中にバックバンドが小さくSnoop Dogg"Ain't No Fun"を弾き始めて
"Stop"とバンドに注意したと思ったら
そのまま"Ain't No Fun"を歌いだす、なんてくだりもあったね
つまり、
セッション感
場数を積んだバンド感
一体になった演奏だったということ

俺は真ん中後ろのPAブースの横にいたので
エンジニアの動きもちょろちょろ見てたんだけど
エンジニアもエリカ様の動きをずっと見ながら聴きながら
テンポチェンジしたと思ったらすぐタップして
いつでも演奏に合うDelayを出せるようにしていた
つまりエンジニアも一緒になってセッションしていた
そして音がいい感じだったな
一緒にいた福原美穂ちゃんもそこをまず感心してたね

ベースが一番下にいて
ドラムが少し上のような音像だった
中域をキーボード類と歌が占める

EQ処理も黒人エンジニアらしく、結構大胆にカット&ブーストしてる感じだった

<<追加>>
そう、照明とVJも音楽の成り行きを見ながら変えて、合わせに来てました
つまり照明とVJも一緒になってセッションしていました

そうそう、驚きだったのは、
同期は今回ほぼ使ってなかったと思われること
ラップトップをもったDJ的な人が二人ステージにいたので
必要なネタは、タップでテンポを合わせながら出していたのではないか?
と思われる

完全再現よりも
エリカ様の気分次第でどうなるかわからない
という形を大事にしよう!
というスタンスが全体で共有されているように見えて好印象

そして上記のようにこの日はめっちゃ機嫌がよかったもんだから
余計にいろんないい瞬間が生まれた
もちろん「おっと、大丈夫か?」みたいなスリリングな瞬間もいくつかあったけれどね

そして驚いたことに
気分のいいエリカ様は"Bag Lady"のくだりで
ついに客席に降り立って
客に「ooh oh」とサビのハミングを歌わせ始めたのでした

*****

■総括■
そんな感じ
もう最高としか言いようがないステージだった
ネオソウル系で言うなら2年前のD'angeloもよかったが
それはRoy Ayersで言ったところの「セッション感」の方が強くて
でも人力が半端ないからよかったんだけど
今回のエリカ様はバンド全体をアジテート&コンダクトする、
まさに女James Brownのような形

そこに今っぽいエディット感、
過去から現在までのSoul,R&B,HipHop愛が散りばめられている
エリカ様のご機嫌次第で大きく変わることが予想されるライブのあり方ではあるけれど
それでこそ「ライブ」だ

46歳を迎えられた素敵な姉さん(俺より年下だけど敢えて)ならではの
ワンアンドオンリーなライブ
すでに代表曲が何曲もあるからできるスタイルではあるだろう
もともとそういう傾向はある人だけど
2007年のNew Amerykahからより顕著になった
mixtape的な制作手法
それを生ライブでどう表現するか?
という探求の一つの答えを見せてくれたように思う
まさにmixtape的なライブ

そこに必要なのはテクノロジーを駆使する人力
テクノロジーによる、再現力ではないところが
俺のようなミュージシャンからしたら好印象、
というか一つの理想的な音楽のあり方だなぁと

腕を磨かないとこれはできない
音楽好きでいろいろチェックしてる人じゃないとこれはできない
そこがいい

今日明日はBillboard Live Osakaで2days
今日明日のエリカ様のご機嫌は如何なんだろう?

迷っている方は4万円、高いけど
これは見ておくべきだと言っておきます

by jazzmaffia | 2017-10-09 17:40 | Live Report | Comments(0)

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