2006年 11月 13日
純正律
音楽ってすごいなぁ。。。と良くも悪くも痛感させられた本
先日の、五年ぶりの帰郷の際に父にもらった本がこれ
どれくらいの人が純正律って知ってるんだろう?
これは調律の話なんだけど、いわゆるポピュラーミュージックは大抵平均律といわれる調律の方法がとられている。ピアノなんかもほぼそうだね。そしてその調律方法は日本の学校という学校でほぼ絶対的に信用されて使われている調律方法なんだが、実はその平均律とは色んな歴史があって、ある便宜上使われているだけなのだ、という話なのだ。
細かい理論は俺も100%把握はしていないので、ここでは割愛するけど、簡単に言うと、平均律とは1オクターブをただ12等分した音階。
そして純正律とは自然倍音を並べた音階、ということになる。
ま、詳しくは下記のHPをご覧あれ。
http://www.pure-music.ne.jp/
自然倍音、と言ってもよく分かりにくいと思うけど、要は気持ちよくハモって聞こえるのが自然倍音ってこと。Take6が気持ちよくてもゴスペラーズが気持良くないのはそのためか!てことなのだ。
具体的に言うと、例えばドミソでハーモニーを作ろうとすると、ピアノのミの音は、平均律でチューニングされていると、ミの音が純正律より高く調律されているので、ピアノに合わせて歌うと、ピアノには合っているのに、何か気持ちよくない、という結果になる。
今の時代、ProToolsによるレコーディングがほとんどで、歌も録音した後に音程を修正したりするのが当然の様に横行している。その直し方が平均律的に合っていてもハモって聴こえなかったりするのはそういう理由なのだ。数字で合っていても、耳で聴いて気持ちよくない。
恐いよ、今更だけど。俺はピアニストだし。ピアノの調律を絶対的に考えていたから、よもやピアノに合わせてコーラスをやると、実は合っていないだなんて!
そう、日本は小さい頃からピアノを中心に音楽教育がなされているから、そこに「音痴」を生む要因があるという話もある。絶対音感があることを「凄いこと」とされているのも大きな間違いだとも。
こんな話もある。
JR中央線では飛び込み自殺者が多いが、その原因に、上り線と下り線で流れる音楽の調の違いが、気持悪い倍音を生んでいて、それは無意識的に人を気分悪くさせていると。落ち込んでる人や、ぼうっとしている人の背中をその音楽が押している、て訳だ。
別に純正律が正しくて平均律が間違っている、という話ではない。
純正律は確かに心地よい響きだし、ヒーリング効果は抜群だ。
でも転調には向かないし、使えない和音も多い。
大事なことは、適材適所ってことだね。リラックスさせたいのか、トランスさせたいのか、躍らせたいのか、、、
音楽の構成要素の一つ、音程というものも色々あるんだなぁと。自分の耳を信じて、体を信じて音楽はやるべきだなぁ、、、と痛感させられた本でした。
いじめの報道をする前に、是非純正律の音楽を各学校へ普及させるべきですね。
すでに一部の学校では始めているらしいですが。。。(何故そっちを報道しない???!)
by jazzmaffia | 2006-11-13 04:16 | SWING-OによるReview | Comments(0)